とある電子書籍端末が生き残る一つの方法
最初は否定的な記事にしようかと思ったのだが、調べてみると当然の流れとも思える。「ガラパゴス=悪」というイメージがあるのだが、その環境に適用した姿そのものとも言える。恐竜(="ZAURUS")は滅びたがガラパゴスは今も地球にあるのだ。
Androidという楽園の上で、EPUB/XMDFブラウザがあれば共存共栄するというのも悪くない未来なのではないか。
「ネーミングがどうなの?」「自虐的?(笑)」と何かと話題のシャープの電子書籍端末"GALAPAGOS"。その顛末とその未来を考えてみよう。
まずはTwitterでの反応である。まとめも乱立気味である。
GALAPAGOSに関連する7件のまとめ - Togetter
まとめよう、あつまろう - Togetter
佐々木俊尚@sasakitoshinao氏、シャープの電子書籍サービス名が GALAPAGOSだと聞いて、あきれる - Togetter
シャープのガラパゴスに思ったこと - Togetter
まとめよう、あつまろう - Togetter
メディアからの発表は以下の通りである。
真っ先に思い浮かぶのは米国では紙の書籍より電子書籍の販売量が上回ったというニュースである。
[徳力] 電子書籍大国アメリカ (大原ケイ)
電子出版プラットフォームはやはりAmazonが最強【湯川】 | TechWave(テックウェーブ)
具体的に見るにはこの記事が最強だ。
【電子書籍の(なかなか)明けない夜明け】 第1回 携帯電話で成長できた日本の電子書籍市場 - INTERNET Watch Watch
ポイントは、「日本は既に電子書籍大国」であったということ。CD-ROMによる辞書等の販売やなんといってもケータイ小説という文化がもともとあった。iPadやKindleを脅威と見るのは誤りでもともと素地はあったということである。
シャープはケータイでも有力な企業の一つである。当然ケータイ小説についてのマーケティングは十分に済ませている。さらには液晶という強みもある。さらには、NTTドコモのLYNXなどAndroid端末をはじめそれこそZaurus、その前は電子手帳など小型機器のノウハウもある。その中でこの"GALAPAGOS"の発売は必然とも言える。
とは言え課題も無いことはない。一つは"EPUB"ではなく"XMDF"を配布形式とした点である。しかしこれもシャープとしては当然である。既に権利処理を含めビジネスモデルが出来上がっているのだから。ネーミングの"GALAPAGOS"というのが自虐的と言われるのも仕方がない。
しかし、これは一つのメリットである。日本が権利処理でゴタゴタしてしまうのであれば、既に完成しているビジネスモデルを発展させれば良いのである。
また、最後の手段としては、XMDFフォーマットのリーダーをAndroidマーケットに流せば良い。EPUBとXMDFのコンビネーション・ブラウザが出てくれば利用者の利便性上の問題も無い。
この辺りの憂いは以下の記事からも伝わってくる。
ワープロを引用するとはクールな記事である。